僕は、普段サラリーマンをしているのですが、海外で商品を作って、国内で商品を販売する貿易にかかわる仕事をしています。
とはいっても、営業職のため直接海外とかかわる機会が少なく、定番商品のほとんどは生産部が手配しているので、年に数回しか自分で貿易の仕事をする機会がありません。
なので、いつも貿易の仕事をするときは、生産部や社内の人に教えてもらいながらやっているのですが、最近、後輩もできたということもあって、どうも社内で教えてもらいにくい雰囲気になってきました。
たぶん来年からは本当に教えてもらえないだろうし、逆に教えてあげないといけない立場になりそうなので、これからは仕事で学んだ貿易に関することをブログに書いて、記憶に定着させていこうと思います。
それでは学んだ貿易のことを書いていきたいと思います。今回のテーマは「貿易と国内取引の違い」についてです。
そもそも貿易って何?
まず、貿易を学んでいく前に、貿易とは何かということを知っておかなければなりません。
貿易とは簡単にいうと「国境をこえる外国の相手と商品やサービスを売買する取引」のことをいいます。
そして自国から相手国に商品を送ることを「輸出」、逆に相手国から自国に商品を仕入れることを「輸入」といいます。
貿易と国内取引との違い
それでは今日の本題に入っていこうと思います。貿易は取引相手国が外国ということもあり、国内との取引とはちょっと違います。
その違いを大きく分けると以下の3つになります。
- 契約書
- 支払い
- 運輸
それでは一つひとつ見ていきましょう。
契約書
まず、契約書についてですが、基本的に国内取引であれば、契約書を作らずに、口頭だけのやりとりで取引をする場合がほとんどです。
ですが、貿易の場合は異国間の取引になるので、その国の文化や言葉、商習慣、商道徳、法律など様々な違いがあり、国内での取引と同じように口頭だけのやり取りで取引をしてしまうと、大きなトラブルに発展する可能性があります。
なので、しっかりと契約書を作成し、お互いの合意事項をまとめることが大切になっていきます。国内では嫌がられる契約書ですが、貿易では当たり前なので、外国企業と取引する場合は必ず契約書を作成し契約を結ぶようにしましょう。
支払い
貿易は外国相手となるため、距離がかなりの遠方になります。そのため国内の取引とは違い、商品の引き渡しと代金の支払いに大きなタイムラグが発生してしまいます。
先払いであれば、輸入者側にリスクがありますし、後払いであれば、輸出者側にリスクがあります。とくに取引が間もない相手だと、輸入者側も輸出者側もお互いがリスクを取りたくないのは当然で、この支払い条件によって、商談が上手く纏まらないことも考えられます。
でも、こんな場合でも貿易においては、国内取引とは違い、素晴らしい決済システムが用意されています。それは信用状取引(L/C)です。
この信用状取引というのは、間に銀行が関与することによって、支払いを保証してくれるというもの。もちろん手数料はかかりますが、銀行が支払いを保証してくれるということで、初めての取引先でも安心して取引できます。
ちなみに僕の会社では、あまり信用状取引は行っていません。ある程度信用のある会社を選んでいるからでしょうけど、無駄な経費を抑えるために、TT送金が主流になっています。
TT送金は簡単にいうと、国内の銀行振り込みのようなもので、契約書を結んだ30%支払い、商品を受け取ったあとに、残りの70%を支払うという条件で支払っています。
もちろん条件によって、先払い分と後払い分の金額の割合は変わりますが、どちらにしてもL/C取引と同様、国内取引とは違う支払いの方法になるので、覚えておきましょう。
運輸・通関
そして、貿易と国内取引の一番の違いは、やはりこの運輸方法と通関でしょう。
日本は島国ということもあり、運輸方法は船便を使うか、航空便を使うかなどの選択肢があります。そして、この便を輸入者側が手配するのか、輸出者側が手配するのかなども決める必要もあります。
また、今回は詳しくは説明しませんが、貿易は国内取引と違い、国境をまたぐ取引なので、輸送中に様々なトラブルが起こる可能性があります。商品が紛失・破損した場合だけでなく、危険なリスクもあるので、それらに備えて保険に入る必要があります。
しかも輸入者側が入るのか、輸出者側が入るのかなど、FOBやCIFといった契約によって変わるので、ちょっと複雑になっています。
それと関税ですが、国内の取引では、まずこんな税金はかかりませんね。ただ、輸入者側としては、関税納付の申告をして、輸入許可を受けないと荷物を引き取ることができないど、これも国内の取引とは大きく違うポイントです。
最後に
以上、ざっとですが、貿易と国内取引の違いについて説明しました。
国内だと商品を仕入れるのは比較的簡単ですが、貿易ともなると、言葉の違いや文化の違い、そして海の向こう側ということもあって、何かと取引が複雑になってしまいます。
なので、正しい知識がないと、どうしようもないトラブルに巻き込まれることがあるので、貿易に関わる仕事をするのなら、国内取引との違いを理解しておくことが大切ですね。