目に必要な栄養素として前回は黄色い色素のルテインを取り上げてみましたが、今回は紫色の色素アントシアニンを調べてみたいと思います。
なぜビルベリーは目に良いと言われるのか?
そもそもブルーベリーとビルベリーがどう違うのかを少し紐解いていきましょう。
どちらもアイケアサプリに使用される栄養素としては有名ですよね。
実はビルベリーはブルーベリーの一種にあたります。
(上:ビルベリー、下:ブルーベリー)
ブルーベリーの中に含まれる有効成分アントシアニンの量が最も多い、北欧産の限られた野生種がビルベリーと呼ばれる品種です。
一般的なブルーベリーに含まれるアントシアニンの含有量は100gあたりおよそ100mg~200㎎程度。これに対してビルベリーはおよそ450mgと、一般的なブルーベリーの約2~4.5倍ものアントシアニンを含んでいることが分かっています。
なのでサプリ選びをする際、可能ならビルベリー表記の方が効果的な成分が多い可能性があるので、良いかもという表現になります。
しかしビルベリーと書いているだけならまだまだ商品選びは完璧ではありません。
それについては後半で説明します。
もちろんブルーベリーが効果なしという訳ではありません。
ただ含有量が少ないので、必然的に家庭の医学的レベルだということです。
ビルベリーはアントシアニンの含有量が多いから眼に良いサプリと言われるのです。
成分名はアントシアニン
製品にはビルベリー配合となっている場合もありますが、正式な成分として表記する場合はアントシアニンとなります。
(商品の裏に書かれている成分表示欄にはビルベリー抽出物と記載)
アントシアニンは眼精疲労改善や視力回復、ロドプシンの再合成を促進してくれるので日々酷使する眼を健やかに保つためには重要な成分ですが、フラボノイドの一種なので抗酸化力が高いことでも有名です。
一般的にアントシアニン配合のビルベリーが眼に良いといわれるのは、この抗酸化作用によって眼を老化させにくくするからです。
しかしここからが一般的には理解されてないところで、どんなビルベリー、どんなアントシアニンを摂取しても良いという訳ではありません。
実はある限られたビルベリーから抽出されたアントシアニンのみに、しっかりとした効果と裏付けが存在するのです。
それが『ミルトセレクト』と呼ばれるアントシアニンです。
ミルトセレクトとは
唯一の医薬品認定ビルベリー
ビルベリーが眼に良いのはアントシアニンの含有量が高いことにも関連しますが、それだけでは不十分なんです。
何が大切かというと、原産地及び収穫時期が大きく関わってきます。
ミルトセレクトは中欧および北欧の険しい荒野に生息する、野生種ビルベリー 『バクニシウムミルティスL』より抽出します。
またミルトセレクトは7月から9月の成熟した時期に収穫された新鮮なバクニシウムミルティスLからしか獲れない事もあり、どこの原料供給会社でも製造できる訳ではありません。
このバクニシウムミルティスLに早くから着目し、生産をスタートさせたのがイタリアのインデナ社です。
インデナ社は1921年、イタリアのミラノで設立された企業で医薬品、化粧品及び健康食品業界にて90年の歴史を持っています。
ミルトセレクトは世界40カ国以上で販売されており、全社的には主要特許120以上、700件以上の科学的研究を発表しています。
同社はミルトセレクトを1970年代開発にし『ビルベリー25%乾燥エキス』と呼ばれる標準化エキスを製品化し医療機関で順次使用されることとなります。
製品にバラツキが出たきっかけとは
このようにミルトセレクトが眼病に処方され注目が集まりだすと、近年では他の原料供給会社がビルベリーからアントシアニンを抽出するようになりました。
そして次第にビルベリーが世界に広まってきたのです。
もちろん広まるのは良いことですが、市場ではそう上手くはいきません。
ある時期に世界のビルベリー事情に異変を来したある出来事が起こります。
それは“100年に1度の不作”と呼ばれた異常気象です。
バクニシウムミルティスLは野生のビルベリーなので天候に左右されます。
そのため2006年は十分なビルベリーが確保出来ませんでした。
そのタイミングで台頭しだしたのが、ミルトセレクト以外のビルベリー原料です。
ビルベリーから抽出されミルトセレクトと一見遜色無しとなると、世の中はこういった基準以下の粗悪な素材を求めるようになりました。
ここから安価で手に取りやすい粗悪なビルベリーが、一気に世界中に広まったのです。
販売に際してビルベリーであればミルトセレクトだろうが、そうでなかろうかはお構いなしだったのです。
一貫性品質保証に固執した結果
その事態に対応するため、インデナ社は製品のバラツキを無くすよう現在特殊製法により『ビルベリー36%乾燥エキス』を完成させました。
現在ではヨーロッパ薬局方・米国薬局方で認定を受けているので、つまり諸外国ではミルトセレクトはお薬として使用されているわけです。
ここが重要なところですが、ビルベリーが眼に良いとされ臨床データが存在するのはあくまでも『ミルトセレクト』だけです。
欧州及び米国薬局方で使用されているビルベリーは、ミルトセレクト唯一なのです。
なのでビルベリーと一括りにしても、医療レベルのものと、家庭の医学レベルとでは結果は歴然としてきます。
ミルトセレクトの臨床と汎用性
視力回復
ミルトセレクトは眼精疲労による視覚機能の回復にとても有効であるというデータも存在します。
臨床対象者のうち70%が視覚疲労が減少、73%はかすみが改善、80%はちらつきの減少を報告しています。
その他においては涙目、眼の痛み、頭痛改善も上がっています。
ドライアイ
ドライアイは眼精疲労の原因となる症状で、涙などの水分が乾燥してまばたきすることにより角膜に傷をつけてしまう症状。
ドライアイによる眼精疲労を自覚する健常者にミルトセレクトを摂取させたところ、摂取させてないグループと比べ両目とも有意に改善率が高かった。
ミルトセレクトの眼病対策
糖尿病網膜症
ミルトセレクトは欧州・米国薬局方では医薬品として使用されている成分です。
では具体的にどういった症状に対して効果的なのでしょうか?
それは糖尿病網膜症です。
糖尿病網膜症は糖尿病の合併症で失明リスクの高い病気です。
内科で糖尿病と診断されたら有無を言わせず眼科受診をすすめられます。
糖尿病網膜症に関してはこちらを参照ください。
網膜毛細血管のトラブルを解消
ミルトセレクトは血管の詰まりやトラブルを解消しやすくする事が報告されています。
具体的には、最近行われた黄斑部に浮きが伴う糖尿病網膜症患者に対して、ミルトセレクトを1年投与した臨床試験があります。
投与後の測定では光を網膜で読み取るコントラスト値に対し、有益な視覚改善効果があり、また視力と黄斑部の浮きは今まで以上に悪化することなく維持されたということです。
欧州スタンダードの高品質独自ビルベリーエキス【ミルトセレクト】
定期検診の重要性
アイケアサプリメントを選ぶ際は、『まず自分がどういった悩みを抱えてるのか?』を知ることから始まります。
それを知るための方法としては、定期的な眼科受診が大切です。
糖尿病と聞けば比較的大食漢で太った方と思われがちですが、血糖の値を示すヘモグロビンcが血液内に残存しそれを処理できない体質の方は食べなくても細くても糖尿病になる可能性は十分にあります。
見た目では分からないことも多いし、何より病気が分かるのが怖くて病院に行けない方の話も頻繁に耳にします。
病気は誰かが治してくれるのではありません。
自分自身で治癒させなければなりません。
病院、医師、お薬はその手助けをしてくれるだけです。
サプリメントという考え方
予防したいけどどうすれば?
いかがでしたか?
糖尿病網膜症を代表とする網膜の病気は自覚症状がほとんどありません。
健康診断で糖尿病と分かっと時には、中にはかなり症状が進行している場合もあります。
眼科受診の際に『明日から入院しましょう』とか『早く手術しないと失明しますよ』と言われたら困りませんか?
そうならないためにも予防することが大切になってきます。
私の仕事はこういったテーマで全国のお客様に、少しでも眼病予防の重要性を知ってもらう活動をしています。
今回テーマの『ミルトセレクト』は先述したインデナ社が総力を結集して開発した、唯一の医薬品として認証されているビルベリーエキスです。
少し改善したいぐらいならそれほど選択に力を入れなくても良いです。
しかし、しっかりと自身の網膜症状に向き合うつもりがあるのなら『ミルトセレクト』はおすすめの素材です。
下記は私もよく知る商品『ナチュラリープラス スーパールテインミルトプラス120粒』にはミルトセレクトも含まれています。
参考までですが、予防として摂取するならこういった形状のものが良いかと思います。
環境の変化により様々な眼病が増えいています。手遅れにならないためにも、何らかの形で予防することをおすすめします。