前回は大まかな眼病について調べてみましたが、今回はその中でも最も恐ろしいと言われている『緑内障』について触れていきたいと思います。
緑内障とは
緑内障は何らかの原因で視神経がダメージを受けて、見える範囲(視界)がだんだん狭くなる病気で、その主な原因が『眼圧の上昇』といわれています。
私も健康セミナーで眼圧に触れて話をすることが多いのですが、ほとんどの方は眼圧という言葉は知っているけど、自分の眼圧の数値は知らないと言われます。
後でも触れますが、眼圧が上昇すれば失明リスクが上がるのでぜひ意識していただきたい数値です。
病院では眼圧を教えてくれないところが多いようなので、自ら聞いてみましょう。
血圧は意識するけど、眼圧は知らないってなんだか不思議ですよね。
房水と眼圧
目の中には血液の代わりとなって栄養成分を含んだ透明な水分が常に循環しています。
これを『房水(ぼうすい)』と呼びます。
ちなみに涙ではないので間違えないように(^^)/
房水は毛様体で作られ、シュレム管から排出されます。
この一連の房水の流れが常に一定であれば、眼圧も一定状態を保つことが出来ます。
しかしこの房水の流れに支障が起こると眼圧が上がり、視神経を圧迫し視野狭窄を発生させます。
眼の水平断面図
眼圧が上がる構造としてはまず前房内に房水が溜まり、それがある一定量を越えると行き場を失い水晶体を押し始めます。
水晶体が押されるとその後方にある硝子体にも圧力がかかり、最終的に奥にある視神経乳頭に圧力がかかる仕組みです。
なので視神経乳頭が直接悪くなるというよりは、房水の増加が因子となってきます。
視野狭窄の進行
初期
緑内障が進み視野狭窄が始まると、眼の中心の少し外れたところに暗点が出来ます。
この状態であれば、自分自身で異常に気付くことは難しいです。
中期
暗点がだんだん広がり、見えない範囲が半分を占めます。
ここにきてもまだ自身では緑内障に気づきません。
何故なら良い方の眼が悪い方の目をカバーするので、両眼で見ていると分かりにくいものなのです。
末期
視野狭窄はさらに進み、日常生活に支障をきたすようになります。
このまま放置すれば失明に至ります。
気を付けなければならないのは、一度死滅した視神経は元に戻すことはできません。
緑内障の進行は眼圧の上昇がかかわってきますので、極力進行しないように眼圧の抑制が重要となります。
緑内障の種類
一言で緑内障といっても、いくつかの種類に分けることが出来ます。
開放隅角緑内障
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりを起こし、シュレム管への導入の妨げとなります。
それにより前房内の房水量が増え眼圧が上昇し、ゆっくりと病気が進行していきます。
開放隅角緑内障には『SLT』というレーザー治療法があります。
こちらの記事も参考にしてみてください。
正常眼圧緑内障
眼圧値が正常範囲(10~21mmHg)であるのに緑内障になる方がいます。
これを正常眼圧緑内障と呼び、タイプとしては開放隅角緑内障に分類されます。
最近の調査では緑内障患者の7割が正常眼圧緑内障であることも判明しています。
なのでもちろん眼圧が正常値であることも大切ですが、その中でもいかに低く保つかが重要となります。
原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、塞がることにより房水の流れが妨げられて眼圧が上昇します。
慢性型と急性型があり、急性だと進行がスピーディーなので早期の眼科受診をおすすめします。
発達緑内障
生まれつき隅角が未発達であることから起こる緑内障です。
続発緑内障
角膜の病気や網膜剥離、眼の炎症などその他の疾患で眼圧が上昇するタイプを言います。
またステロイドホルモン剤などにもよって起こる場合があるので注意が必要です。
緑内障の症状と対策
緑内障のことをあまり知らない人が多いのは、自覚症状がほとんど無いことに起因すると思われます。
これだけテレビの健康番組で紹介されても、自分には関係ないという思いで観ているからでしょう。
知らないうちに進行し視神経を圧迫により視野が少しずつ狭くなっていきますが、痛みが伴う訳ではないので目に異常を感じることはほとんどありません。
急性の緑内障の場合なら頭痛や吐き気などを誘発しますが、その原因が眼圧の上昇だとは誰も思わないので、そのまま放置されることもしばしば。
要するに緑内障の進行を少しでも遅らせるために必要なのは、早期発見早期治療です。
なので定期的に眼科にかかることをお勧めします。
どれだけ視力が良くても自分の眼の奥は見ることはできません。
専門医に診てもらうことにより現状を把握することは可能です。
面倒臭がらずに、怖がらすにぜひ眼科受診をしてみてください。
緑内障の検査とは
緑内障の検査は主に眼圧検査、眼底検査、視野検査が行われます。
定期検診などでもし異常が見つかれば、早い段階で眼科医の診断を仰ぐようにしましょう。
眼圧検査
ピンとこない方も『瞼を開き空気を噴射する検査』といえば分かるのではないでしょうか。
空気圧の跳ね返りにより眼球の圧力を測る検査です。
緑内障管理の重要な検査ではありますが、先ほどでてきた『正常眼圧緑内障』という場合もあるので、数字だけを鵜呑みにしてはいけません。
眼底検査
視神経の状態を把握するために、眼底にある視神経乳頭を観察します。
視神経に異常がある場合は凹部の形が大きく変形してきます。
緑内障発見のために欠かせない検査です。
視野検査
視野の欠損を見るための検査です。
要は左右何度まで見えているかということ。
これは日常生活の中でも確認することが出来るので、たまにやってみるのもひとつの手です。
しかし視野狭窄は徐々に進むものなので、実際個人で行っても多分検査になってないでしょう。
やはり眼科受診で緑内障の進行具合を判定してもらってください。
緑内障の治療方法
圧迫が進み、一度死滅した視神経は元には戻りません。
なので治療の目的はいかに視神経を破壊しないように眼圧を低く保つかが重要となります。
治療法としては薬物療法、レーザー治療、手術が一般的です。
全ての治療法が完全ではないので、やはりそうならないための生活習慣も必要でしょう。
薬物療法
眼圧上昇を食い止めるための手近な方法はやはり点眼薬でしょう。
主に房水の産出量を減らしたり、流れを良くする作用があります。
最初は1種類から様子を見ながら途中で変更したり、また2~3種類を併用する場合があります。
点眼すれば眼圧を抑制することはできますが、逆に言うと点眼を忘れれば眼圧は上昇するので、長い間お付き合いしなければならない治療法ともいえるでしょう。
点眼の注意点
- 点眼回数・量は守りましょう
- 点眼後は目頭を軽く押さえ閉じたままにします
- 2種類以上ある場合は、5分程度間隔をあけましょう
レーザー治療
レーザーを虹彩に当てて穴を開けたり、線維柱体に当てて房水の流出を促進します。
比較的安全で痛みもなく、日帰りも可能なので患者さんへの負担も軽減できます。
外科的手術
房水の流れを邪魔している部分をメスで切開し、流れやすくする手術をします。
また毛様体での房水の産出を抑える手術もあります。
手術することにより改善はしますが、根本的に房水が詰まりやすい体質ならばいずれ眼圧は上昇します。
なので普段から眼圧を上げない、できるだけそういった生活を心がけることが大切です。
日常生活で気を付けること
日々の生活で予防できることとは?
日常生活で特に気を付けることはありません。
少しでも異変を感じたら眼科医に診察してもらい、健康的で無理のない生活を心がけましょう。
年に1回は定期検診を受けましょう
そこで重要なのは定期検診です。
視力の良い方は目が良いと思い、眼科を受診することはありません。
なので健康でも定期的な受診をお勧めします。
もちろん点眼薬をもらった場合は回数や量を守ること、眼に異常を感じたり全身に何か変わったことが起きた場合はすぐに医師に相談しましょう。
サプリメントという考え方
予防したいけどどうすれば?
いかがでしたか?
緑内障という病気は自覚症状がほとんどないので、眼科医での早期発見早期治療が有効となります。
しかし受診した際もうすでに眼圧が高かったら?緑内障が進行していたら?と思うととても怖くないですか?
私の仕事はこういったテーマで全国のお客様に、少しでも眼病予防の重要性を知ってもらう活動をしています。
『日常生活で気を付けること』のコーナーでは、特に気を付けることはありませんと記しました。
でも何かできることがあればやってみたいと思いませんか?
眼科受診の際に『かなり進行してます』とか『もう手遅れです』と言われないためにも。
ミルトジェノールとは?
私は栄養成分の分析研究をしていますが、その中でも最近は『ミルトジェノール』という天然成分が注目されています。
詳しくはまた別記事で述べますが、この栄養成分を毎日基準量飲むだけで眼圧の上昇を抑制することに有益であると分かってきています。
これは特許としても認められており世界148カ国で活用されている、海外では多くの実績がある成分です。
日本でも一部企業がミルトジェノールを取り扱っているので、眼圧抑制のために試してみるのも良いかと思います。
下記は私もよく知る商品『ナチュラリープラス スーパールテインミルトプラス120粒』にはミルトセレクトも含まれています。
参考までですが、予防として摂取するならこういった形状のものが良いかと思います。
もちろん眼病は緑内障だけではありません。
その他の病気についても順次調べていきたいと思います。